第19回『このミス』大賞・文庫グランプリ受賞作品 甘美なる作戦
『甘美なる作戦(仮題)』平居紀一(ひらい・きいち)
【あらすじ】
ヤクザ稼業はトラブル稼業。
組員未満の二人に、無理難題が押し寄せる。
宗教団体の利権を狙った犯行の結末は……?
最終選考委員コメント
これはもう、21世紀最高(または、すくなくとも令和最高)の誘拐ミステリーとして強力にプッシュしたい。
→ 大森望
きちんと構成された群像劇演出から、ユニークな誘拐活劇へ、さらには驚愕のコンゲームへと展開していくストーリーテリングの妙が光る。
→ 香山二三郎
途中で挿入される異なるエピソードが後半に絡み合い、意外な方向に事態が収拾されていく様子に驚きと爽快感を味わいました。誘拐事件の身代金の受け取り方法なども面白かった。
→ 瀧井朝世
平居紀一(ひらい・きいち)受賞コメント
『このミス』大賞は難しい新人賞で、かつ今年は激戦と聞いていたので、良い成績を収められてうれしく思っています。小学校時代は本好き少年でしたが、すっかりそんな過去を忘れ、アウトドア男に成り果てた頃、変な妄想がときどき浮かぶようになり、それをつないでいくと変なストーリーになりました。それが本作です。執筆歴が浅いので、まだ手探りですが、受賞を励みに精進していくつもりです。