第19回『このミス』大賞・文庫グランプリ受賞作品 暗黒自治区
『暗黒自治区』亀野仁(かめの・じん)
【あらすじ】
中国に飲み込まれてしまった日本。
犯人護送中の車両が何者かに襲撃される。
背後に渦巻く人々の思惑と運命は……
最終選考委員コメント
過剰な武器描写も含めて濃密かつスリリングなアクションシーン。設定との合わせ技で、個性的なエンターテインメントに仕上がっている。
→ 大森望
雑賀と由佳の逃走劇が切れ味鋭い展開を見せ始めると、後は最後まで一気読み。すでに熟練の活劇演出。雑賀のキャラも立っている。
→ 香山二三郎
現実とは微妙に異なる空間を立ち上げていく描写が巧み。視点の切り替えのテンポ、アクションシーンも上手く、最後まで飽きさせずに読ませる。
→ 瀧井朝世
亀野仁(かめの・じん)受賞コメント
これまで暗中模索しながら『このミス』大賞へ応募しては落選し、作家としてのゴールを目指すどころかスタートを切る前にリタイアしてしまうのではと思い始めたところ、五度目のトライでスタートラインに辿り着く事ができました。
そしてついに号砲が鳴り、これまでとは全く違う風景の中を、人生をかけて走り始めます。これからは小説執筆という難路を走りながら、生みの喜び、苦しみ、悩み、それら全てを楽しんでいこうと思います。