第18回『このミス』大賞受賞作品 模型の家、紙の城

『模型の家、紙の城』歌田年(うただ・とし、応募時筆名:歌明田敏)

【あらすじ】

プラモデルで男の浮気がわかり
家のジオラマで大量殺人が明らかになる
主人公は関係ない紙の鑑定士なのに探偵役?

最終選考委員コメント

「紙にまつわる蘊蓄と模型にまつわる蘊蓄がダブルで披露される」「語り口とキャラクターは即戦力」
大森望


「紙鑑定士に模型のモデラーという未知のキャラクターにまず惹かれた。彼らの繰り出す蘊蓄も巧みに事件に活かされ、独自の探偵物語の生成に成功している」
香山二三郎


「模型や紙について繰り出されるマニアックな蘊蓄が面白いだけでなく、それらの知識や情報が、しっかり事件や捜査と絡んでいるため、飽きることなく最後まで読ませる」
吉野仁

歌田年(うただ・とし)受賞コメント

歌明田敏
「小説家になりたい」と最初に思ったのは中2の時でした。ある日妙な機械から出て
来たおじさんに「その夢は42年後に叶うよ」と言われ、ゲンナリしてしまいました。
成人して会社員になり充実した人生を歩んで来ましたが、数年前に介護離職し在宅仕
事に切り替わりました。しかし仕事が全然ありません。これでは命に関わると必死の
思いで書いた本作が幸運にも大賞を頂き、なんとか食いつなぐことができそうです。
皆さま本当にありがとうございました。それにしてもあのおじさんは……