第13回『このミス』大賞優秀賞受賞作品 神家正成
『深山の桜』神家正成(かみや・まさなり)
【あらすじ】
南スーダンの自衛隊宿営地で頻発する変事を
定年間近の准尉と若い士長のコンビが追う!
正統派自衛隊ミステリー
最終選考委員コメント
「宿営地の日常と自衛隊内部の人間関係がみっちり描かれていく前半は読み応えたっぷり。
しだいに不穏な空気が漂いはじめる展開もうまい」
→ 大森望
「自衛隊経験者ということで、なるほどその内幕が活き活きと描かれている」
→ 香山二三郎
「桜星(下士官)の矜持と無念が、読む者の胸を揺さぶらずにはおかない」
→ 茶木則雄
神家正成(かみや・まさなり)受賞コメント
自衛官であった父の部屋は、書物ですべての壁が埋まっていました。公のために尽くす桜星の矜持と物語を愛する喜びを、私は父の背中から学びました。その父の本棚に私の物語が加わることを考えると、気恥ずかしさと誇らしい気持ち、そして、両親への感謝の想いが心の奥底から滲み出てきます。
世界には多くの問題が溢れています。それらを解決する力が物語にはあります。言葉を紡ぐ者になった矜持を胸に、新たな坂を力強く登っていくことを誓います。