第8回『このミス』大賞 1次選考通過作品一覧
第8回を迎える本賞に、計350作品(うち二重投稿が判明した2作品は失格)のご応募をいただき、まことにありがとうございました。
1次選考を通過した作品は以下の21作品です。
1次選考通過作品一覧
1次選考通過作品
『星と月と陽のめぐりに』 赤坂彦(あかさか・げん)
彼の前から消えた女と、過去の幻影に現れる女。
二人の女を追う旅は、現代中国の暗部へ向かう。
洞窟の死体、失った記憶、垣間見える幻影が、独特の世界を創りあげる
→ 作品講評
『12月8日』 荒牧周平(あらまき・しゅうへい)
極度の妄想壁がある保育士の青年、23歳。
殺し屋の父を持つという園児や、主人公の隣の部屋にある死体。
主人公の妄想はどんどん加速し、コントロール不能となって……
→ 作品講評
『タローズ・プラン』 宇井旬(うい・じゅん)
悲惨な事故死を目撃する無職の青年。隣人に苛立つ女性と、連続殺人犯の自供。
それぞれの物語の中心には作者のシンボルが隠れ、
文体や構成の技法で勝負をかける志高い実験作
→ 作品講評
『正体』 上田文箱(うえだ・ふばこ)
行方不明になった友人・正臣の部屋に残された20台以上の
携帯電話を頼りに行方を追う中で、彼の意外な一面が露になり始め……。
次々と起こるディープな展開に吸い込まれる、衝撃の復讐劇
→ 作品講評
『終宴』 鹿島我(かしま・が)
見知らぬ携帯電話のせいで殺人容疑をかけられた男。
友人はその持ち主を捜し、刑事は現場となったバーの秘密を追う。
軽快な語りで読ませるスマートなサスペンス
→ 作品講評
『カバンと金庫の錯綜劇』 彼此屋圭市(かこや・けいいち)
錯綜した人間関係がほぐれるにつれ全体像が浮かび上がる。
パチンコ業界を舞台にした、
小洒落た犯罪喜劇(クリミナル・コメディ)
→ 作品講評
『蛙男』 小林涼介(こばやし・りょうすけ)
発生した2つの事件と、5年前に起きた生徒の自殺。
事件は巧みに絡み合い、混乱のなかで交渉が進められていく——。
自殺した小学生が遺した絵に描かれていた蛙男って、一体なんだ?
→ 作品講評
『9 —ナイン—』 シモムラ・タカヒロ
人間並みの知能と身体能力を備えた中型犬、9(ナイン)。
それは、遺伝子操作によって生み出された実験動物だった——。
せつなく静かなラストが胸に迫る
→ 作品講評
『愛しのリーゼ・マイトナー』 鈴木凜太朗(すずき・りんたろう)
ナチスの弾圧に晒されたユダヤ人科学者リーゼ・マイトナーは、
ドイツを脱出して研究を続けることを決意した。
運命に翻弄される研究者の後半生を綴った歴史ロマン
→ 作品講評
『鬼とオサキとムカデ女と』 高橋由太(たかはし・ゆた)
憑き物筋の家を表す「オサキモチ」。
オサキモチの周吉は、その能力を駆使して事件を解決していく。
人のおそろしさを根底においた現代ホラー
→ 作品講評
『嘘800のイヌイくん』 多谷一香(たたに・いちか)
願いを叶えてくれるという、幽霊のイヌイくん。
彼が出現するというハンバーガーショッップを探し当てた和人の願いは、
幼なじみで植物状態の茉莉花の願いを知ることだった
→ 作品講評
『凍りのエピタフ』 谷門展法(たにかど・のぶひろ)
北極圏にできる氷の道を走るドライバーが、爆発事故に遭遇する。
事故に巻き込まれた少年と医師、そしてドライバーに迫るタイムリミット。
極北の地で繰り広げられる、シンプル故の力強さのある冒険行
→ 作品講評
『快楽的・TOGIO・生存権』 太朗荘史郎(たろう・そうしろう)
山村から港町、大都会へと流浪を続ける主人公と稔。
少しずつ明かされる一風変わった世界観と
重苦しく展開される物語は、言葉では言い表しがたい魅力的な作品
→ 作品講評
『銀色の牙』 月村日音(つきむら・ひおん)
女子大生殺害の凶器に使われたのは、ライオンの牙だった!
殺人現場を目撃した青木は、それ以来不思議な現象に悩まされる。
青木を鑑定した心理学者の朝永は、青木の病とある薬の存在に気づき——
→ 作品講評
『暁と闇と漆黒と』 塔野夏(とうの・なつ)
魔物にとり憑かれることで魔力を身につける「魔党」たち。
我々のものとは異なる歴史をたどった昭和初期の大阪を舞台に、
大日本帝國のために働く、魔党の活躍を描く
→ 作品講評
『バイバイ、ドビュッシー』 中山七里(なかやま・しちり)
多くのものを失いながらも、彼女はピアニストを目指す。
力強く爽快で行間からピアノの音色が立ち上る、
一人の少女の再生をかけた物語
→ 作品講評
『災厄の季節』 中山七里(なかやま・しちり)
死体の傍らには、稚拙な文字による犯行声明。
連続殺人鬼「カエル男」の恐るべき凶行が、街をパニックに陥れる!
逆転に逆転が重なる暴走サイコ・スリラー
→ 作品講評
『許されし者たち』 旗本浩二(はたもと・こうじ)
名前を次々と変える女と、女を題材に番組を作るテレビ局社員。
未解決事件を追う警官に、不倫に溺れるサラリーマン。
それぞれの視点を通して女の正体が明かされる、欲望と妄執のサスペンス
→ 作品講評
『ライオントリオ』 福井岳士(ふくい・たけし)
奪われた三億円を取り戻せ!
コンゲームを仕掛ける一族と私立探偵、それを阻止しようとする美女と高校生。
二転、三転する大騒動を描くユーモア・サスペンス
→ 作品講評
『死亡フラグが立ちました!』 古井盟尊(ふるい・あきたけ)
偶発的な事故を装って殺す、殺し屋の「死神」。
一方で、二人の刑事が17年前に起きた殺人事件の再調査を始め、
やがて二人は死神へと繋がっていく……
→ 作品講評
『太陽に向かって撃て』 森山五丈(もりやま・ごじょう)
シリアで発生した、クルド人反政府組織による日本人誘拐事件。
この事件を解決すべく、特殊チームが現地に飛ぶ!
人間の醜さや凛々しさの他、山岳冒険小説の魅力も味わえる作品
→ 作品講評
次回作に期待
あと一歩の作品に選考委員から一言