第3回『このミス』大賞 受賞作
『果てしなき渇き』 深町秋生
深町 秋生 (ふかまち・あきお) プロフィール
1975年、山形県生まれ。専修大学経済学部卒業。
第3回「『このミステリーがすごい!』大賞」大賞受賞、『果てしなき渇き』(宝島社)にて2005年デビュー。
他の著書に『東京デットクルージング』(宝島社)がある。また、自身のブログ「深町秋生のベテラン日記」は幅広い層から支持を受けている。(http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/)
※大賞受賞時のタイトルは『果てなき渇きに眼を覚まし』。著者名は古川敦史(ふるかわあつし)
受賞コメント
私の青春は暗かった。『果てしなき渇き』では、そんな過去を嫌々思い出しながら書いた。これは孤独と憎悪に耐えかね、疾走する人間達の悲しみを描いた作品である。友愛や和気を著しく欠いているために、激しい拒否感を抱く方もいるだろう。けれど同時にこの小説の世界に共感を覚える方もきっとどこかにいてくれるはずだとも思う。なぜなら慈愛に満ちた世界を疎み、燦々と輝く太陽に向かって唾を吐きたいと願う人間は、私だけではないはずだと、固く信じているからだ。