第16回『このミス』大賞受賞作品 カグラ

『カグラ』くろきすがや

【あらすじ】

トマトが枯死してしまう疫病の調査に乗り出す植物病理学者。怪死した旧友の研究が、奇病に対する特効薬になりうることを掴むが――。謎の遺伝子組み換え作物が、破滅の導火線に火を放つ! 弩級のバイオ・サスペンス。

最終選考委員コメント

「世界全体を滅ぼしかねない巨大な危機に主人公が立ち向かうことになる展開はすばらしくよくできているし、バイオSF的な設定も非常に優秀。」
大森望


「バイオテクノロジーを駆使した新種開発戦の黒い内幕を国際謀略も絡めて手際よくまとめた作品。」
香山二三郎


「しっかりしたドラマが展開していく本作は、トマトが枯死していく事件を発端に思いもよらないスケールの陰謀を描いている。」
吉野仁

くろきすがや受賞コメント

くろきすがや
初めての共作を評価されて、うれしく思います。ありがとうございました。
子どもの頃、コンビ作家で有名なエラリー・クイーンの作品を読んで、「二人で書くって、どういう感覚なのか?」と不思議でした。自分が実践するとは思ってもみませんでした。
「くろきすがや」という別人格が今後どういう顔を見せるのか、我ながら興味津々です。どうせならレノン=マッカートニーに負けない創作ユニットに育ってほしいものです(妄想)。(菅谷淳夫)

作品を構想したときのコンセプトは気宇壮大で、「ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』の分子生物学版」というものでした。つまり、良く出来たエンタテインメントが、それと同時に分子生物学へのミニ・パッケージ・ツアーになっていて、この作品を読むだけで、最先端の分子生物学に関する基礎知識をお手軽に学べる、というのが狙いです。果たしてその狙いが果たされているのかどうか、読者諸兄のご判断にお任せしたいと思います。(那藤功一)