第24回『このミス』大賞 1次通過作品 ぼくたちの告解
小学校で起きた殺人の余波は
十五年後に新たな事件を引き起こす
倒叙と犯人探しを両立させた技巧派サスペンス
『ぼくたちの告解』高森泉
仙台市の小学校に通う「ぼく」は、問題児のランドセルから給食費を盗み、別のクラスの生徒・赤幡由美絵が同じように給食費を盗るところを目撃した。放課後に赤幡を尾行した「ぼく」は、性的虐待を続ける父親を呪うために賽銭を集めていたと打ち明けられる。父親殺しを手伝って欲しいという頼みを拒否した「ぼく」は、一緒に八戸に逃げようと提案し、資金を得るために六年生全員の集金袋を奪う。しかし想いを寄せていた少女・山下美緒に犯行を見抜かれ、彼女の殺害計画を練ることになった。
そんな第一部とモノローグの後、三人称視点で書かれた第二部が始まる。小学校の中庭で山下の墜落死体が発見され、宮城県警刑事・三島誠一は顔に記されたダイイングメッセージの存在に気付く。三島は在校生が犯人だと推理するが、捜査は迷宮入りとなった。そして物語は第三部に進み、事件に酷似した小説『赤い意図』に疑念を抱いた山下の妹・杏月が真相を探っていく。
語り手を伏せた倒叙スタイルの第一部、警察の捜査を描く第二部、十五年後の再調査と新たな殺人にまつわる第三部、全てが明かされる第四部という構成を通じて、読者を最後まで飽きさせないプロットが好印象。第一部の語り手捜しは『死の接吻』を彷彿させるが、本作の終盤にはよりトリッキーな細工が施されている。やや散らかった感はあるにせよ、フェイズを切り替えることで要素を盛り込み、意外性に拘ったエンタテインメント精神は注目に値する。二次選考に強く推したい快作だ。
(福井健太)















