第20回『このミス』大賞受賞作品 バーチャリティ・フォール

『バーチャリティ・フォール(仮題)』南原 詠

【あらすじ】

人気VTuberが、特許権侵害の警告を受けて活動停止に追い込まれた。弁理士の大鳥小夜が、VTuberを救うべく繰り出した秘策とは……。

最終選考委員コメント

「ビジネス小説的な(『半沢直樹』的な)駆け引きと、リーガルサスペンス的なロジックと、VTuberという旬の題材の魅力が融合して、たいへんスリリングかつユニークなミステリーに仕上がっている。」
大森望


「キャラクターがみな活き活きしていて、特許権侵害の事前交渉専門の弁理士という職業も新鮮、構成もしっかりしている。特許にまつわる法律のあれこれも「なるほど」と思わせ、絶対不利に思える状況をどう解決するのかで読ませる。」
瀧井朝世

南原 詠(なんばら・えい)受賞コメント

南原 詠
 人と違った何かをやりたい、と、思いながら生きてきました。人とは違うかもしれない何かを、いろいろ試しては失敗し、失敗を繰り返し、散々遠回りをしてたどり着いた先は、物語の世界でした。この厳しくも豊穣な世界に挑戦する機会を与えてくださった皆様に、お礼を申し上げます。両親、兄弟、数少ない友人知人、物語の書き方を教えてくださった恩師に、感謝します。どこまでやれるかわかりませんが、全力で試してみます。