第10回『このミス』大賞 優秀賞
『僕はお父さんを訴えます(仮)』 友井羊(ともい・ひつじ)
(応募時タイトル・筆名:『僕がお父さんを訴えた理由』・友井羊)
【あらすじ】
愛犬を殺した罪で父親を訴えた中学生。やがて関係者たちの隠された思惑や秘密が明かされていく。その奥に隠蔽された過去と真意とは?
【最終選考委員コメント】
「ラストまで一気に読ませる手腕と、法廷シーンは一級品。なにより、こういう少年小説はいままで読んだことがない。」
→ 大森望
「高い完成度にくわえ、ショッキングな出だしに家庭劇、そして裁判小説に転じる構成がユニーク極まりない。」
→ 香山二三郎
「新鮮な展開にページを操る手が止まらない。物語のクライマックスまでテーマを巧みに隠した構成が見事。」
→ 茶木則雄
「実の親を訴えるという前代未聞のアイデアを扱い、全体に過不足なくまとめあげた力量は充分評価に値するだろう。」
→ 吉野仁
友井羊(ともい・ひつじ)受賞コメント
ネットスラングに、ワナビという言葉があります。作家になりたくて投稿を繰り返すも受賞できず、ドツボにはまっているひとを指します。説明不要ですが、ニートという言葉があります。僕はその両方でした。今回賞をいただいたことで、ようやくそれらの立場から抜け出せました。しかしまだスタート地点に立ったにすぎません。これから作家であり続けるために、がむしゃらにがんばっていきます。そして、これまで僕を支えてくれたみんなに、心からの感謝を捧げます。