『T・K・O city ~テクニカル・ノックアウト・シティ~』西山裕彦は、2024年の東京を舞台にした近未来SFアクション。情報通信技術と仮想現実の発達によって、世界規模で人間たちが夢を見なくなり、それが超大国の深刻な問題となっていく設定は面白いが、果たしてこの近未来像はいかがなものか。合法化した“賞金稼ぎ”、従順に奉仕する“愛人用ロボット”、疾走する“エアロ・バイク”……独創性のなさに目をつぶったとしても、せめて2124年くらいじゃないと相当ムリがあるだろう。あと、文章の徹底的な見直しと改善が急務だ。基本的な文章作法の欠落、変換機能に頼り切った漢字の横溢、説明過多で無駄の多いセンテンス……そのどれもが、せっかくの物語の動きと切れ味を殺してしまって、とにかくもったいない。躍動感のある物語を紡げる方だと思うので、ぜひ次回も頑張っていただきたい。