第13回『このミス』大賞 1次選考通過作品 今東昌之

殺人ゲームを実況中継で配信する会社に
プレイヤーとして選ばれた高校生5人は生き残れるのか?
残虐さを前面に出した「嫌ミス」

『かくれんぼ』今東昌之

 夏休み前に古賀由香里が駅でもらってきたカードを学校で同じ高2のクラスの仲良し4人に見せる。そこには食品会社がモニターを募集、とあり、応募して選ばれると海外のホテルで試飲、試食ができるというので、5人は申し込み、当選する。空港で待ち合わせると近藤という美人社員が迎えにきていてラウンジに案内される。そこで睡眠薬を飲まされた5人の目が覚めると、閉じ込められていて殺人ゲームに参加しないと家族を殺すと近藤に脅される。
 『かくれんぼ』と名づけられたゲームは40箇所の壷やトランクケースなどの隠れ場所に一人ずつ入って隠れ、探す人間が確認できるのは4箇所で、見つからなければ助かるという説明を受ける。ところが一人目は音を立ててしまって見つかり、斧で惨殺され二人目はチェーンソーで狙われて見つからなかったのに死んでしまう。探す役は死刑囚で成功しても焼け死ぬことになっている。三人目の古賀は逆に斧で探す役となり、最後は残った今村隆と田辺美樹二人で、見つける役と隠れる役となって、さあ、どちらが生き残るのか。その間、このゲームの発案者や社長などの背景や実況に賭ける人々の様子も出てくる。
 いくらなんでも無理だろうという設定と展開を強引に進める臆面のなさは、ある種の力技ではあります。隠れ方の工夫の拙さや中継を見ているのは世界のセレブで会員は30万人、とか全てが気持ち悪いので、ゲテ物を好む人も世の中にはいるかも知れない、と残してみます。

(土屋文平)

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