第5回『このミス』大賞 受賞作品一覧

第5回『このミス』大賞受賞作

『ブレイクスルー・トライアル』伊園 旬

懸賞金1億円の一大イベント〈ブレイクスルー・トライアル〉に参加することを決めた、門脇と丹羽。それは、技術の粋をつくした難攻不落の研究所に侵入し、制限時間12時間以内に、所定のものを持ち帰るというものだった。彼らにはそれぞれの過去があり、このイベントで優勝することによって人生を変えようと考えていた。
ひょんなことからイベントに紛れ込んだダイヤモンド強盗犯グループ、保険会社の依頼で、その強盗を追う私立探偵、研究所の守りを固める叩き上げ頑固一徹の管理人、ライバル会社から派遣されたスパイチームなどが参加を表明し、それぞれ思惑を胸にイベントに集結する。侵入者を阻むため、各所に設けられた指紋、静脈、虹彩などの生体認証。さらには、凶暴な番犬や新型警備ロボットの一群など、数々の障害に立ち向かい、突破するのはどのチームなのか。

第5回『このミス』大賞優秀賞

『シャトゥーン ヒグマの森』増田俊成

北海道の北端に大樹海が広がっている。神奈川県の広さに匹敵する広大な森だ。平均気温は北極圏より低く、冬にはマイナス40度を下回る日も珍しくない。 そんな土地の研究林を管理する鳥類学者の元で年末年始を過ごそうと、彼の親族や学者仲間たちが集まっていた。 そこへ、ヒグマに襲われたという密猟者が逃げ込んでくる。車が横転してしまい動かず、電話も通じない。小屋に集まった人々は完全に孤立してしまったのだった。 やがて、体重350キロを超す巨大なヒグマが小屋を襲う。秋に食いだめに失敗して冬眠できず雪の中を徘徊するシャトゥーン(穴持たず)と呼ばれる危険なヒグマだった。密猟者の銃程度ではヒグマの動きを止めることはできない。ヒグマによって少しずつ破壊されていく小屋。そして、人食いヒグマへの恐れが、人々から冷静さを奪い去ろうとしていた……。

※受賞時タイトル『シャトゥーン』

第5回『このミス』大賞優秀賞

『当確への布石』高山聖史

私立大学で教鞭をとり、犯罪被害者救済活動を続けてきた大原奈津子は、衆議院統一補欠選挙東京6区への出馬を決める。
前議員の田所孝夫がセクハラ事件を起こし、その失職に伴う補選だった。そんな折、元犯罪者の顔写真や所在等を記したビラを撒いて騒ぎを起こしていた「凶悪犯罪抑止連合会」という実体不明の団体から奈津子宛てに、推薦状が届く。不審な団体からの支持は選挙を不利にするため、奈津子は、教え子の夫で元刑事の平澤栄治に相談する。栄治は抑止連の正体を突き止めるべく、捜査を開始した。
選挙を知り尽くした策略家・森崎啓子や抑止連との関係を書きたてる雑誌記者・井端純平のキナ臭い動きに翻弄されながらも、栄治の捜査によって補選のカラクリが見えてくる……。
選挙と、その周辺に渦巻く数々の策謀、さまざまな人物の思惑が交錯し、それぞれの企みが絡み合うなか、開票日が近づく。

※受賞時タイトル『暗闘士』