大統領がテロ組織に拉致監禁されるという大事件がアメリカで発生していたものの――日本の高校生たちにとって、それは遠い国の出来事だった。それよりも、 もっと重要なことがある。例えば、校舎の屋上でスケッチをすることだとか。
美術の課題のため、屋上にのぼった高校2年生の辻尾アカネ。そこで、 リーゼント頭の不良・国重嘉人や、願掛けのため言葉を封印した沢木淳之介、自殺願望を持つ平原啓太と知り合う。屋上への愛情が共通しているということか ら、国重の強引な提案で“屋上部”を結成することになった4人。屋上の平和を守るため、通行人を襲う罰神様騒動、陸上部のマドンナ・ストーカー事件、殺し 屋との遭遇などに巻き込まれることになる。それらはすべて、ひとつの事件に繋がっていた!
臨床心理士の佐久間美帆は、勤務先の医療機関で藤木司という20歳の青年を担当することになる。司は、同じ福祉施設で暮らしていた少女の自殺を受け入れる ことができず、美帆に心を開こうとしなかった。それでも根気強く向き合おうとする美帆に、司はある告白をする。少女の死は他殺だと言うのだ。その根拠は、 彼が持っている特殊な能力によるらしい。美帆はその主張を信じることが出来なかったが、司の治療のためにも、調査をしてみようと決意する。
美帆 は、かつての同級生で現在は警察官である栗原久志の協力をえて、福祉施設で何が起こっていたのかを探り始める。しかし、調査が進むにつれ、おぞましい出来 事が明らかになる。
※授賞時タイトル・筆名:『臨床真理士』・藤木裕子